フィッシングカヤックを買う、乗り換える時に気になるのがスピードについて・・・。
- 速いカヤックって本当に違うのか!?
- 自分でもそれなりのスピードを出せるのか!?
- 速いカヤックは危ないのか!?
- なんで速かったり遅いカヤックがあるのか!?
などなど、気になる事って色々ありますよね。
ハードだけじゃなく、ソフトも大事
ステルスカヤック 輸入者ヨシ
僕はパドリングコーチ(大西明さん)からパドリングレッスンを受けるようになり、一緒に練習をしたり、コーチ主催のファンレースに出場したり、そして自分でも漕ぎ練習を続けています。まだまだ理想のスタイルではないですが、我流で全く漕げなかった時に比べると変化を感じています。具体的に言うと、距離を漕げるようになりました。今では20kmの練習も出来ます。
大西コーチは、小柄です。僕と同じぐらいの身長なので約168cm前後でしょうか。小柄なんですけど、カヤックを漕ぐと速いです。勿論、30年という経験もあるし、長年のハードなトレーニング、元日本代表なので別世界の人・・・、と色々理由があるのは確かです。
僕もステルスカヤックのユーザーも「選手」ではなく、「カヤックを楽しく漕ぎたい」というのがメインですが、大西コーチはこころよく僕らにパドリングレッスンをしてくれます。(甘くはないですが、とても親切に熱血に指導してくれます)今までは、選手を目指す学生の指導であったり、ライフセーバーの仲間に教えたりというのがメインだったようです。でも、釣りから入ってきたステルス勢にもウィングパドルの使い方を教えてくれるので凄く助かってます!!
一瞬の最高速度より『長距離移動の快適さ』を僕は重視
漕ぎの体感は人それぞれだし、短距離で出せる最高速度を気にする人もいますよね。実際、僕のGarminの時計・アプリも漕いだ時の最高速度を表示してくれますが、僕はあまり気にしていません。短距離、ちょっと速くなっても別にそのスピードで何キロも漕いでいる訳じゃないので、僕が気にする情報はAverageの方です。
本当に速い艇で漕ぎを楽しみたい場合はSurfskiカヤックもお勧めです。僕も漕ぎ練習の時は海外ブランドのサーフスキー艇を漕いで10kmの練習をします。1キロを6分台で漕ぐのが僕の目標で、トータルで10kmを70分以内に入れるか、どうか?を意識してます。
釣りの時はそんなに急ぐ理由がないので、自分が目指す釣りポイントまで疲れない程度の移動を意識して漕いでます。例えば、僕の住む鎌倉市の由比ヶ浜沖で釣りをする際は、遠浅ゾーンを抜け出し、水深50m~70mを目指します。手元のGarmin時計で浜から6キロ地点が僕が釣りをするポイントなので、釣具・魚探一式をセンターハッチ内に収めて、ただひたすら真っ直ぐ漕ぎます。
ほんの数百mを最高速度で何キロ出した!はあまり参考にならないと思うで、釣りの時の移動情報を参考の1例として掲載します。時期は2022年2月で、極寒という訳ではなく程よい肌寒さの中での釣りです。僕の家前の由比ヶ浜湾は遠浅で、湾出口(浜から約1.5km)でも水深が10mないぐらい。僕の感覚だと、浜から真っ直ぐ沖を目指して、2キロ地点で大体20mの水深、3キロで30m・・・、といった1キロ10m水深が増すとザックリ頭に入れています。
Fisha 460で釣りに行った際のGarmin時計で計測したStat:
1~6キロまでが移動で、それ以降は釣り
ザックリLapとしては1キロ8分ちょっとですね。約50分ほどの有酸素運動です。僕は月に60キロのランニングもするのですが、大体10キロRUNか、15キロRUNです。なので1時間程度の有酸素運動をするので、パドリングで50分でも息苦しいとかはなく、丁度良いぐらいと思います。
ステルスカヤック Fisha 460を漕いでダウンウィンドサーフスキー練習!
この時は、釣りへ出かける時だったのですが、丁度良いDownwindだったので少しだけSurfski練習。
北風が吹いていて、普段行く6キロポイントではなく4キロで釣り開始
結局帰り道は10キロのパドリング…
Fisha 460でDownwindに乗ってパドリングした時のStat
1~3キロは、カメラを触ったり、「今日は風あるな~」などブツクサ言いながら軽く由比ヶ浜湾内を漕いでいました。湾を出るあたりから「これは良い風では!?」と思い、ダウンウィンドを意識するように。そこで3キロ~4キロの間をタイムを意識してみよう!と漕いでみました。漕いだといっても、動画の通り、風と波に乗っているので速い割には楽な移動だったんです。
僕が意識をしているのは速さより数キロ漕ぐ際の快適さを気にしています。このダウンウィンドの際の帰り道はちょっと向かい風だったので、1キロを8分~9分ほど時間をかけて漕ぎました。7分台に比べると遅さを感じましたが、釣りをした後だし、心地良い程度のパドリング運動が出来ました!
僕より速く漕ぐ人なんて沢山いるし、ステルスより速いカヤックも色々あります。Surfskiのカヤックだと釣りはちょっと難しいかもしれませんが、漕ぎ感を楽しむには最高です!!
ライフセーバー達とサーフスキーの練習やレースを楽しんでます
逗子湾でやるので、興味ある人は一緒に漕ぎましょう!
2キロちょっとのレース、Goalではヘトヘトに!!達成感があります!
カヤックやパドルはハードと考える:
人それぞれの考え方があると思いますが、僕は「ハードとソフト」に考えていて、カヤックやパドルをハードと考えてます。
「ステルスカヤックは速いですか?」と質問を受ける時があるのですが、結構お答えするのが難しいんです。
- 良いグライド(伸び)をしますよ
- 漕ぎをやめた際の失速が少ないと僕は感じます
- 色々条件が揃うと、速いと思います
といった感じのお答えになるでしょうか・・・。
もしかしたら、質問された方が実際にステルスのカヤックを漕いでみて、今現在自分が所有しているカヤックと体感を比較するなら、「速い、そんなに違いが無い、遅い」といった個人の感想を出せるのかな~と思います。
僕は普段ProFisha 475, Fisha 460, Fusion 480の3艇を乗る機会が多いです。この3艇でもそれぞれ「表現か異なる」という印象があります。どれが良い悪いとかではなく「違い」を感じます。カヤックって作るメーカーさんの考え・設計で違いが生まれるので、「どれが自分にシックリくるか!?」というご縁なのかなと思います。
ハードという面で言えば、カヤックと同じくらい重要だなと僕が感じているのがパドルです。
Stealth F1 ウィングブレードパドル
このウィングパドル(スプーンパドル)と呼ばれるパドルを僕は使用しています。釣りの時、サーフスキーカヤックでの漕ぎ練習の時も同じF1を使ってます。このパドルか、又はフラットブレードのパドルか?はスピードや漕げる距離に大きな差を生むと僕は感じています。
コーチが言ってました。
「コーヒーに砂糖を入れて、スプーンの先っぽでかき混ぜるか、それとも柄の方でかき混ぜるか・・・」
ソフトはパドリング:
良いハードだけでは、パフォーマンスをMaximize出来ないと思います。次に必要なのがSkill。僕はパドリングという動作をソフトと考えるようにしています。
「ステルスカヤックは速いですか?」
- 漕ぎ手のパドリングスキル、使用するパドル、乗る艇、これらが揃うと速いです!
と答えるのがBestなのかもしれません。
恐らくですが、今現在「速くカヤックを漕げる人」というのは、何が揃えばそのスピードを出せるか?を分かっていると思います。これから今まで以上にスピードを出したい!という人は、乗り換える+自分もレベルアップさせる、で理想とする速いカヤックを手に入れる事が出来ると思います。
大西コーチにFishaを試乗してもらうと・・・
軽く漕いでこのスピードを出せるんだよな~。やっぱアスリートは違う。。。
※カヤック歴30年でも釣りをされないコーチ☺
全長が長く、横幅が狭いカヤック?
『カヤック自体の長さが長い方が走破性があるし、横幅は狭い方が安定感は減るけどスピードが出る』といった話を何度か耳にした事があります。
- ステルスのカヤックはProFisha 475・525・575、Fisha 460・500・555、Fusion 480、横幅は60~70cm
長い!細い!と思う方もいれば、僕の様にサーフスキーカヤックにも乗る者としては、『ま~ま~幅あるし、重さもあるな~』と思う方もいると思います。
僕は安定感に関して言えば、横幅というよりは艇底の形状を気にしてます。
- Surfskiカヤックの艇底は丸い(輪切りをすると丸っぽいというイメージ)
- Stealthカヤックの艇底は、そんなに丸い訳ではない
次に安定感に関して、座る位置を気にしてます。
- Surfski 艇、Stealthカヤックと、コクピットの座る位置は低い箇所にある(海面よりお尻が下に)
- 椅子に座るタイプのカヤックは、座位が高いので振り子というか、揺れを体感しやすいのかな~と。
今まで普通に釣りの為に出航して、ウネリに乗ったり、釣りして帰ってくる時に沖で沈した事は一度も無いです。安定感がなくてヒヤッとしたと思ったことも無い。自分が波乗り練習でサーフで波に乗る際にひっくり返る事は何度もありますが!
Surfski艇では、沖沈を当たり前の様に何度も何度もしています。そういうもんだと思ってるので、慌てる訳もなく、『あ~またこけた!』程度です。僕が沖沈するのは後ろや斜めから急にくる突風で空中にあるパドルブレードが風をキャッチして、バランスを崩した際や、不規則な波が後ろから来た際に斜めに前進し、コケる事が何度もあります。この辺りは、艇の形状が影響しているかな~と思います。
全長が長く、横幅が狭い+艇底の形状も重要な要素かと僕は思ってます。
ステルス社の代表、Brettさんはパドリング競技者出身
Brettさん
実は、Brettさんも大西コーチも同じ畑の出身です。そう、ライフセービングの競技者であり、若い頃からサーフスキーカヤックを漕いでいるんです。Brettさんも元南アフリカの代表選手です。FRP職人だった親父さんに頼んで自分が競技用で使用するカヤックを親子で製造していたほど。
ステルスがパフォーマンスにこだわるのは、製造者自信がパドリング競技者出身というのが大きな影響があるかと思います。Surfskiの味付けをフィッシングカヤックにプラスして、ある程度速いし、安定感も備えるを実現したのがステルスカヤックと呼べます。
勿論、競技用のSurfskiカヤックに比較すれば、ステルスカヤックは遅くなります。競技用の艇と同等のスペックのフィッシングカヤックを作ると、一般ユーザーが乗りこなせないかと思います。「海に浮かぶ丸太で釣りを出来ますか?」ってイメージしてもらえると分かりやすいかもしれません!!その位、サーフスキーカヤックは簡単に乗りこなせる艇では無いです。(輸入者ヨシもサーフスキー艇で練習をしています。よく転びます…)
スピード、安定性、重量、長さ、使いやすさ、トータルで考える
やっぱり最後は、全体的なトータルバランスが大事なのかな!?と僕は思います。
速さを求めすぎると細く長くなり、止まって釣りをする安定性が減ると思うし、スピード・安定性を求めると、短いボディよりある程度長さがある方が安定しやすいですよね。長くなると重さは増えるし、重すぎると車載が大変かもしれないし・・・。っと、色々考え、自分にベストな選択肢となるカヤックに巡り合えたら最高ですね!
- ステルスカヤックがベストだ!なんて言いません
この作りが自分に合う方には最高の艇なのは間違いないと思います。ただし、人によっては『全体的には良いんだけど、ここはちょっと残念だよな~』という意見もあると思います。本当に乗られる方の個人の好みになってきますので。出来るだけミスマッチを避ける為にも、気になる点は気軽に質問をしてほしいですし、可能であれば試乗をしてもらいたいです!
あなたが求める速いカヤックなのか?安定感があるカヤックなのか?
是非、試してもらいたいです!!